【雑談】生物の進化・多様化についてのあれこれ

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生物の進化・多様化な内容についてざっくばらんにメモしました。

タイトル通り雑談ネタに近いので、受験対応している情報もあれば、好きな人は知っているレベルの内容もあります。

本当にメモなので、知らない動植物や用語があったら自分で検索してみてくださいね!

 

動植物の移動と多様化

生物の進化の単元でざっくり先カンブリア時代~新生代まで学ぶと思います。

これまでの長い歴史の中で多くの生きものが誕生・進化してきましたが、地理的な要因・氷期や温暖化などの気候変動も、動植物に大きな影響を与えました。

生きるために適した環境を求めて移動した先で、進化したり、多様化したり、絶滅したり…その結果として現在の生きものの分布が形づくられているわけです。

地球の陸地は、大昔に巨大な1つの大陸が分かれて今の形になったといわれています。(大陸移動説

大昔の生き物たちも大陸に乗って、いっしょにそのまま分かれていったんですね。

  • 海岸線の一致
  • 大陸をまたいで古生物の化石や地質構造が連続して分布する
  • 南極大陸に熱帯性の植物化石が産出すること

といった理由が、大陸移動説の根拠としてあげられています。

また、氷期や温暖化などの気候変動も、動植物の移動に大きな影響を与えたらしいです。

生き物たちは移動した先で、多様化したり、絶滅したり…その結果として現在の生きものの分布が形づくられているわけなんですね。

進化:系統的に同類の生物が、さまざまな環境に適した生理的・形態的・生態的分化を起こして多くの種に分かれ、時代とともにその程度が強くなること

教科書にもでてきますが、ガラパゴス諸島のダーウィンフィンチ類は有名です。生物学者のチャールズ・ダーウィンの話と合わせて紹介すると面白いと思います。

 

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収れん進化(収束進化)

ずっと以前に分かれて、進化の道筋が独立しているのに、類似した生活環境(生態的地位、ニッチ)で暮らしていると、そこで生活しやすいように適応して体の構造や形が似てくる。

例)サメの体形とイルカの体形

住んでいる場所は違うのに似てる~という生物をいくつか紹介して、それぞれ生活環境を考えて比較してもらうアクティビティをしたことがあります。

 

ベルクマンの法則

恒温動物(鳥類・哺乳類)においては、同じ種でも寒冷な地域に生息するものほど体重が大きく、近縁な種間では大型の種ほど寒冷な地域に生息する。

例)熱帯に分布するマレーグマは体長140cmと最も小型。日本からアジアの暖温帯に分布するツキノワグマは130-200cm、温帯から寒帯に生息するヒグマは150-300cm、北極近辺に住むホッキョクグマは200-300cmにも達する。

ホッキョクグマが大きいのはイメージしやすいので覚えやすい内容だと思います。「なぜ大きいのか?」という話はウィキペディアなどでも丁寧に解説されているので一読してみてください。

 

アレンの法則

恒温動物において、同じ種の個体、あるいは近縁のものでは、寒冷な地域に生息するものほど、耳、吻、首、足、尾などの突出部が短くなる。

例)フェネックキツネ…アフリカ~中東の砂漠地帯に生息、耳が非常に大きい

ホッキョクキツネ…耳が丸くて小さい

ベルクマンの法則とセットで紹介されることが多いです。動物が嫌いな生徒は少ないので、この2つの法則の話しながら写真見せると反応があります。生物受験者なら教科書に載っていなくても資料集とかで知っておいて欲しいですね。

 

進化の先に「新しい種」がある?

進化とは何世代にもわたる長い時間をかけて、すこしずつ生き物の特徴が変化すること。

生物の種の定義は、今も明確なものはないそうです。しかし、教科書などでは一般的に、

  • 子孫を残せる子どもができるか調べる
  • 形(形態)を比べる
  • DNAを調べる(系統樹をつくる)

ことなどで種を判別しています。100%の証明はできないけど「その可能性が高い」を積み重ねて種という単位で分類していくわけですね。

 

ヒトを含む哺乳類の繁栄

生き物が移動することは、その進化や多様化にもつながったと上述しました。長い地球の歴史の中で、恐竜が滅んだことは多くの人が知っていると思います。

その絶滅イベントの後で、彼らが占めていた生活環境を利用できるようになって、哺乳類が栄えたといわれています。

その一部から、ヒトに繋がる系統が誕生していったわけです。

最も古い人類は今から700万年から600万年前にアフリカに現れた「猿人(えんじん)」。このタイミングで、ヒト(人類)の祖先が、チンパンジー・ボノボの祖先と別れたと推測されています。

直立して二足歩行する祖先でもっとも古いのはサヘラントロプスチャデンシス。これは必ず抑えておくべき!

人類も約20種が進化したが、残っているのは私たち現生人類(ホモ・サピエンス)だけです。

 

 

日本にしかいない種を探してみる

日本にしかいない生き物を日本固有種という。

  • 大昔(大陸がつながっている頃)に、大陸からやってきた生き物が別の種に進化した
  • 大陸にいた種は絶滅して日本に来た集団だけが生き残った

などの説があります。

学名に「ジャポニカ (japonica)」があった場合は、「日本の」という意味のラテン語で、基本的に日本に何かしら縁であることを示しています。

日本で最初に発見され新種として発表された生き物を見つけるとちょっと嬉しい気持ちになりませんか?笑

例)ヤブツバキ Camellia japonica、ライチョウ Lagopus muta japonica

色々な生物の学名を調べる活動を通じて、そのラテン語の意味を調べてみるのもおススメです。

 

動物地理境界線

分布している動物の種類が大きく変わる境目は、動物地理境界線とよばれる。

北海道と本州の間にある津軽海峡は、動物地理境界線としてはブラキストン線と呼ばれている。

鳥類・哺乳類の動物相の分布境界線である。これが一番有名。

 

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外来種

人間の活動とともに移動して、もともと生息していなかった地域にも分布を広げた生き物を外来種(外来生物)という。

ポイントは「人間」が影響してというところ。人間がある生物をうっかり移動させてしまった⇒結果として在来の生きものを食したり、生活環境を占有したり生態系を乱すものがいるということで…最初のアクションが起こらなければ生物は悪くないのに…という。

例)セイタカアワダチソウ、ブラックバス、アメリカザリガニ

人間が家畜化して生まれたイヌやネコなどのペットも、野生化すれば外来種。ネコを放し飼いすることなども、本来の生態系のバランスを崩し、生物多様性の損失につながります。

最近では、札幌のキツネや東京のタヌキのように、都会に暮らす野生動物も増えてきています。

生き物が身近にいるのはいい面もありますが、人間と野生動物が接触すると、病気や寄生虫がうつることも。

キツネが関係しているエキノコックスは有名ですよね。

 

遺伝子汚染

地理的に隔離され、出会うことのなかった近縁種どうしが人為的要因による移動によって出会い、交雑し、次世代が形成されることで在来種の遺伝的純系が失われてしまうことです。

地球温暖化によって野生動物の分布が変化していることはなんとなく知っている方もいると思います。

それが原因で出会うようになってしまった動物が交雑するなど、人間活動が、遺伝子レベルで野生動物に影響を及ぼす可能性もあるんです。

 

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