2023年の夏にリニューアルオープンした福井県立恐竜博物館に行ってきました!
半年以上にわたる大規模な工事を経て新しく増設された「新館」では、本格的な「恐竜の化石研究体験」ができるようになったんです!
ということで実際に「化石研究体験」に参加してきたので、レポート・レビューを兼ねて記事にまとめてみました。
福井県立恐竜博物館のここがすごい
世界に誇れる恐竜博物館
福井県立恐竜博物館(FPDM)は、福井県勝山市にある、恐竜に関する資料を中心とした地球史を学習できる国内最大級の博物館です。
カナダのロイヤル・ティレル古生物学博物館、中国の自貢恐竜博物館と並び、世界三大恐竜博物館のうちの一つです。
広い館内にはティラノサウルスやトリケラトプスなど、迫力満点の恐竜骨格が展示されており、恐竜時代の環境をリアルに再現したジオラマは、子供から大人まで楽しめます。
2023年7月14日にリニューアルされ、新館がオープンし、展示内容もより充実しました。2024年3月中旬には福井までの北陸新幹線が開通し、今後ますます賑わう博物館になるのではないでしょうか。
本格的な化石研究体験ができる
博物館にはたくさんの化石が展示されていますが、いきなりきれいな状態でポンっと出てくるわけではありません。
化石を見つけ、観察し、調べる…化石研究には色々なプロセスがあります。
この体験に参加すれば、4つのメニューを通じて実際の化石発掘~研究調査の流れを学ぶことができるんです!
- 「化石発掘プラス」…化石の見つけ方・見わけ方を学ぶ
- 「T.rex頭骨復元」…ティラノサウルスの頭骨を組み上げながら、その解剖学的な特徴を学ぶ
- 「化石クリーニング」…実際に化石研究で使われている道具を使って恐竜の歯を取り出す
- 「CT化石観察」…CT画像を使って化石をスキャンし、壊さないで内部の観察を行う
時期によってメニュー構成は変わりますが、どれも本格的な化石研究を楽しむ体験です。
化石研究に挑戦
集合
開始時刻の15分~10分前には「化石研究体験室」に向かい、受付を済ませましょう。
体験が始まると休憩時間は無いので先にトイレを済ませておくこと、荷物を置くスペースが限られているので多すぎる人はあらかじめコインロッカーに預けておくといいですね。
グループによってメニューの順番がちがいます
受付を済ませると、化石研究体験のグループや注意事項がかかれたカードを貰えます。
予約のときに2つの班を選ぶ画面があります。そこで1班を選ぶとA~C、2班を選ぶとD~Fに分けられるみたいです。
1グループ4人、A~Fまでの6グループ(24人)が体験1回ごとの定員みたいです。
場所と設備の都合で、グループによって挑戦する体験の順番が違うので、よく確認してみてから予約しましょう。
私が行ったときは、「化石発掘プラス」⇒「化石クリーニング」⇒「CT化石観察」の順番で参加しました。
化石発掘プラス
福井県勝山市北谷にある、実際の「恐竜化石発掘現場」から運んできた岩石を使用します。
特別難しい作業ではなく、
- スコップで石をすくい、手前のスペースに広げる
- ルーペなどで石を観察
- ハンマーなどの道具を使って割る
というイメージ通りの化石探し体験でした。
難しい点は、ぱっと見で化石かどうかわからない微妙なものが多いので、素人はなかなか「化石だ!」と自信を持てないところ。笑
見本があるのと、判断に困るときはスタッフさんがプロの目で確かめてくれるので安心して参加できました。
30分間コツコツ石を割り続けて出た、一番化石っぽい化石は↑の貝の化石でした。巻貝ですね。
レア度が高めですが、歯の化石や骨の化石が見つかることもあるそうです。
化石クリーニング
北谷の恐竜化石発掘現場で見つかった最大級の獣脚類の歯(レプリカ)をクリーニングで掘り出していく作業です。専用の道具で石をゴリゴリ削る感覚と、中の化石を傷つけないように取り出す緊張感を味わうことができます。
こちらの体験も本格的な道具が各ブースに用意されていて、大人でも「なんかカッコイイ」とワクワクしました。
レプリカ化石を削りだす作業なんですが、思ったより時間が足りないです。ドリルが2種類あって、強い方(たくさん削れる方)でゴリゴリ進めないとなかなか終わりませんでした。
どんなレプリカ化石が出てくるかはお楽しみ…ということで写真は載せませんが、クリーニングした化石のレプリカは持ち帰ることができます。
専用の紙箱ももらえるので記念として大事に持ち帰りました。
CT化石観察
化石を実際にスキャンして得たCT画像から3次元(3D)モデルを復元し、化石を壊すことなくその内部を立体的に探る体験ができます。
X線を使ったCTスキャナーは最近の化石研究では重要な機器とのこと。データが入っているタッチパネル式モニターをが座席にあり、それを触って化石の観察をしました。
最初レクチャーがあって、そのあとは自分で好きな化石のデータを見ることができます。操作しながら、化石のパーツに色をつけたり透明にしたりすることで視覚的にわかりやすくなり、化石の内部を隅々まで観察することができるので驚きでした。
総評:人に薦めたいくらい満足
最初2時間と聞いたときは「長い!」と思いましたが、作業に熱中していたので気づけばあっという間に時間がすぎていました。どの体験にもスタッフさんが着いていて、参加者が困ったタイミングで助けてくれるのもよかったです。
これだけのボリュームがあるのに、入館料+体験料で大人2200円なのが一番の驚き。完全屋内のアクティビティなので、天候に左右されず、かつ予約していれば必ず参加できるのはポイント高いです。
家族で参加するとトータルでは高くなってしまうと思いますが、個人的にはもう少し値上げしてもいいよ~という気持ちです。レプリカはもらえますが、(値上げして)参加者限定のボールペンとか付いてきたら個人的に嬉しい。
先に知っておきたい注意事項
やると決まった段階でWEB予約
福井県立恐竜博物館はWEB予約によるチケット販売を行っています。
公式サイトから予約できますので、行く日が決まった段階で予約しましょう!休日・人気の時間帯は直前には埋まってしまっている可能性が高いです。
保護者同伴であれば小学生参加もOKの体験ですが、「チケットを持っていない方は入室できない」というルールがあります。
保護者分のチケットも購入する必要があるので、忘れずに!!
1回の参加人数は24人が限度みたい
設備の都合上、一度に多くの参加者を受け付けていないみたいです。
注意書きにもある通り、4名で1つのテーブルを使用します。4名ずつのグループがA~Fまでのグループ、24名まで同じ回に参加できます。
また、一度に事前購入できるチケットは計4名分まで、小学生は2名分までが限度です。
友達や家族の5人以上のグループで参加する予定の方は注意してチケットを購入してくださいね。
子どもの年齢によっては難しいかも
公式サイト本文には↑のように書いてあります。
「小学生もOK」とは言っていますが「小学生向けの体験」ではないので、(体感)小学校低学年には難しいかも…?という印象です。
- スタッフの方は丁寧に教えてくれますが、指示は映像を見たり口頭だったり、全体に向けたものが多い
- 道具の使い方などに慣れていないと、化石クリーニング作業が終わらない
- 3つのアクティビティを30分くらいずつ2時間続ける(長い)
…といった点が難しいかもな~と思った理由です。
同じグループに親子で参加することができますが、作業スペースや機材は個人で使うため、大人が熱中してしまうと子供のこと見てる余裕がないみたいです。笑
小学校高学年くらいであれば指示も聞けるし、自分だけでも作業できるし、問題ないと思います。
もちろん個人差はありますし、体験に参加することは貴重な経験になると思うので、あくまで参考ということで。
体験は2時間かかります
本当にしっかりした体験なので、集合~体験終了まで2時間くらいはかかります。
一度体験が始まると飲食・トイレの休憩時間はないので、計画的に参加することをおすすめします。
本館を見るだけでも2時間くらいかかるので、化石研究体験もするのであれば、「ゆったり1日ここで使ってもいいや~」くらいの気持ちで旅行日程を組んだ方がいいかもしれませんね。
服装もチェック
石を割ったり削ったりするので、砂や粉じんで服が白く汚れます!
払えば落ちるくらいの砂汚れですが、気になる方は作業中に汚れてもいい上着を羽織るとかしてみてください。子どもならエプロンとかでもいいかもしれませんね。
まとめ
結果として満足度の高い化石研究体験でしたが、もし2回目参加するならば、「化石発掘プラス」⇒「CT化石観察」⇒「化石クリーニング」の順番で進めるグループを予約します。
理由としては、発掘プラスとクリーニングの作業が本格的過ぎて、CT化石観察の「タッチパネルを触って化石観察をする」ことがちょっと物足りなく感じたからです。
時期によっては化石発掘プラスがT.rex頭骨復元に代わりますが、いずれにしても「化石クリーニング体験を最後にする」といいのかなと思いました。
コメント