理系大学生は教員を目指すべきか?

教育/EDUCATION

昨今、「教員を目指すべきか」についてよく議論されているので、過去を振り返って考えてみることにしました。理系学生は民間企業と教員どっちに就職すべき?という観点からも考えてます。当時の私のように理系学生で、教員免許を取得予定で、大学院に進学予定or既に進学済みで、教員になることが視野のすみっこにでもある人が参考になれば嬉しいです。

 

教員が第一志望ですか?

ここですぐ「はい!」と言えない、悩む人は以下の3点についてもう一度よく考えてみて欲しいです!

教育実習はどうでしたか?

まだ終わってない人は実習後に再度よく考えてみてください。なぜかというと、教育実習で大変だった・辛かった人は実際に教員になった後も同じ仕事をずっと続けなければいけないからです。実習期間は指導教官の先生も「学生」だと思って、面倒を見てくれています。しかし、実際に採用されたらいきなりひとり立ちで授業+それ以外の校務分掌をしなくてはいけません。

1対複数人での授業経験はありますか?

塾講師でもなんでもいいので、そういった経験はありますか?塾講師と学校教員は似てるようで違います。最近は少人数や個別指導の塾が多いですが、実際の教員は1クラス最大40人くらいまでの生徒を指導することもあります。また塾に来ている生徒とはモチベーションも違うので、授業に対する姿勢も異なることもしばしば…その辺を理解していますか?

研究職や民間企業への就職を考えてはないですか?

理系の大学に進学して、研究活動してきた実績や経験を他の所で活かしたいという気持ちが少しでもあるなら、まずはそれについて調べてみることをおススメします。なぜかというと、「教員」という肩書で転職活動、ましてや研究職を探そうとすると「新卒」よりもはるかに難易度が高いと考えます。実際に教員になった後、趣味で研究活動をしている先生も居ますが、科学系の部活動を持っていたり、学校がサイエンスに力を入れているなど特殊な場合が多い…と理解しておいた方がいいです。

 

理系学部卒業=研究職につける?

正直に言えば、当時私の大学で「研究職に行きたいなら修士か博士進学しないとね…」みたいな雰囲気がありました。優秀な学生と恵まれたテーマがあれば、学部卒でも研究職的な仕事を見つけることができるのかもしれないですが、そもそも研究職のポストは狭く、その狭いポストを狙って博士号レベルの人も苦戦している…。

私が大学生だったときの就職活動の悩みの1つは「研究職を目指すか、否か」だったけど、「自分には厳しいな」と思って諦めムードでしたた。私は院生だったので、学部生よりは知識とスキルはあった(はず)、でも研究テーマがフィールドワーク寄りだったのでなかなかマッチする企業を見つけられなかったです…研究室のコネもなかったし。もしかしたら私が知らないだけで存在していたかもしれないけど、修論の研究に時間を取られて、毎週末東京や地方に出向いてガッツで探し出すほどの気力もなかったですね。

ちなみに、先輩たちからは「生物学科のバイオ系就職先は化学科のバイオケミカルな人たちに持っていかれがち」との話を聞いこともあります。実際に同じ学科の先輩の就職先一覧などを見てみると、生物学と全く関係ない職業も多かった印象。どうしても「生物」にこだわった先輩や友達は、大手ホームセンターに就職し、実店舗のペット部門に配属され、ブラックな環境で働いていました(けど転職するので辞めたらしい)。

「研究職」はともかく、大学院まで行ったのに「生物」を捨てることはあまりしたくないな~と思った当時の私は「教員」という仕事について真剣に考え始めた…というわけです。

 

理系大学院生だった私から見た教員という仕事のメリット・デメリット

「生物」を捨てなくて、むしろそれを仕事にして食べていけるということが大きかったし、これが志望理由の7割くらい。しかもそれに加えて、公務員という肩書もゲットできる。ペーパーテストと面接があり、決まった日に数回現地に行けばいいので、研究時間とお金を削って就職活動しなくてもいいというのも助かったかも。運よく一回で合格したので良かったけど、もしダメでも臨採で働きながら合格を目指そうという気持ちでしたね。どんな勉強をしたかは下記の記事でまとめてます。

デメリット要素としては、「ブラック環境」に飛び込むということ。でも、そんなに深刻に考えてなかったとかもしれないです。当時の研究室もブラックっぽかったので毎日イライラしていたし、同じブラック環境でもお給料もらえるだけ「無職よりはいいかな」という気持ちだったので…。

教員がブラックなのは当時からネットでも有名でした。若干ポジティブに考えられたのは、父親が現役中学教員だったので、先生側の雰囲気を身近でなんとなくわかっていた(気がしていた)からだと思います。父親もきっとブラックさを感じたことはあったと思うけど、家庭では愚痴を言わないタイプの大人でした。父親の事は信頼しているので、もし当時、身内レベルの親しい人から愚痴をたくさん聞いていて、「辞めた方がいい」と言われていたら辞めてた可能性はありますね。

現在の私から見た教員という仕事のメリット・デメリット

自分の興味のある分野で仕事ができたというのは楽しかったです。もちろん「生物」の授業以外にやることの方が多かったですが、大学院までの経験で得た知識やスキルが活かせていたと思います。学生時代にパワーポイントやプレゼンの訓練をした成果が、たぶん学校という職場にマッチしていたのも大きいかもしれない。自給換算したら給料は限りなく低いが、貰っている額だけフォーカスすれば同年代では安定した収入ではある!クレジットカードや車の購入審査もサクッと通る…公務員の社会的信用は大きいです(リスペクトがあるかは別にして)。

デメリットは、多くの人が言っている通り、「定額働かせ放題」運動部なんか持ってしまったら休みがほぼ無い!学校によっては土曜日も授業があるし、定時を過ぎてもなお会議は長い…。あと細々とした事務作業(書類作成、データ入力、会計とか)が向いてないときついかもしれないです。ベテランかつPC苦手勢はこれらを丸投げしてくるし、得意な先輩も「そのくらいできるでしょ?」と丸投げしてくるパターンがあるので新任はどっちに転んでも面倒くさいですね。笑

初任の時にめちゃくちゃ感じたのは、校内の新人育成システムが学校現場には欠如しているということ。初年度、学校のことを何もわからないのになぜか会計の仕事のメインを任されました。ペアの先生はPCに疎く(エクセルで帳簿作成から怪しいレベル)、会計のことを全く把握していない…。主任に聞いても「ペアの先生と協力して」と取り合ってもらえない…。仕方ないので、他学年の会計担当の先生と事務室の先生方に何度も聞いて、なんとかやり遂げた経験があります。これをもとに、「生徒と同じくらい初任者の仕事も絶対にフォローしよう」と決めて以降勤務してきました。ちょっとお節介だったとは思うけど、「進んでる~?」と締め切り2週間くらい前に、お菓子を差し入れしつつ確認し、無理そうなら一緒に仕事してました。話が逸れてしまいましたが、「新入りに優しくない」というのが私にとっては腹立たしいことだったのです。

とはいっても、たぶん私の今までの勤務校はいうほどブラックではなかったと思います。生徒も高校生で落ち着いている年齢だし、大学進学する生徒が多く、指導しやすい学校だったかも。よくあるお局・声だけ大きいタイプの方々はいましたが、同僚も上司も意図的に他人を攻撃してくるタイプの人は居なかったし、指導教官や身近な先輩は親切でした。(指導教官がめちゃくちゃ人間としてしっかりした方で、ミスした時に怒鳴ったりねちねち指摘したりされたことは一度もなかったです。本当にお世話になりました。

他校の先生方の話を聞いて改めて思うのは、「勤務先ガチャ」次第でデメリット部分の振れ幅がめちゃくちゃ違う!もしこれが本当にやばい学校だったら私も鬱とか体調を崩していた可能性は高い…最初の2年くらいは実際にメンタルが落ちたこともあります。

 

「教員になるべきか?」に対する答えまとめ

研究職に着きたいor民間企業を考えている人

一度普通の就職活動にチャレンジしても良いと思う。なぜかというと、一度教員になってしまうと、そういった時間を改めて取れる可能性が低いからです。実験操作の方法なんてやらなくなったらすぐ忘れてしまうし、そのブランクは後から埋めるのは結構難しそう。上述した通り、私は民間企業を第一志望にしている学生と比べてほぼ就職活動をしていないので、転職したい今のタイミングで振り出しに戻っている…。
最近はこんな感じ「理系学生」にフィーチャーした仕事探しサイトやエージェントが多いので、いきなりあきらめず、まずは適当に登録して情報収集してみるのもいいかもしれない。研究テーマによってはすごく需要があることもあるので、その辺りを数社のエージェントさんに確認するだけでも参考になるかも。「新卒」というカードは貴重です。

 

教員になりたい人

決して悪い職業ではない。ネガティブなことをこの記事では書いていますが、私にとってはメリットもたくさんあったし、多感で青春を謳歌している生徒たちと関わることでたくさんの影響を受けました。綺麗ごとかもしれないけれど、生徒と関わっていく中で、自分の価値観が大きく変わって、人生が少し豊かになったこともあります。

あまりにも世間が「ブラック」と知っていて(事実ではある)、最終的に体を壊してしまう可能性があるのはもちろん不安要素だが、自分にあったポジションに配属されるかどうか…いわゆる「勤務先ガチャ」に大きく依存しているのは民間企業でも一緒だと思う。強いて言えば、確率が高い。でも、思ったより良い環境である可能性もゼロではないので…これが悩ませどころですよね。だから、やりたい・なりたいのなら挑戦するつもりで前向きに検討することも必要です!

自分の意思で教員免許を取り、教員採用試験を受け、採用されたけど、結局一度辞めてみた私のような人もいます。辞めたけど100%教員という仕事が嫌いなわけではなく、どちらかと言えば仕事自体は向いていたと感じています。たまたま今は「教員という仕事を経験を踏まえて客観視する時間」なだけで、またノコノコと戻る未来だってあるかもしれない…。

現在はずっとやってみたかった長期留学をしていますが、皆さんも同じように「やらなかった後悔」をするくらいならやってみてもいいんじゃないでしょうか。

ちなみに、辞めたいきさつについて知りたい方は下記の記事をどうぞ…。

あと、教員と一括りにしても、自治体や校種でかなり雰囲気や求められているものが変わる気がします。なりたいと思うなら、まずはなれそうなところに収まってみてもいいのでは?知り合いも最初は中学校だったけど、紆余曲折を経て今は小学校教諭をやっています。

懸念事項としては、教員→民間企業よりも民間企業→教員の人の方が多い印象があるので、キャリアについて悩むなら「新卒」を利用して民間企業にまずは入ってみるのも賢い案だと思う。教員と民間企業を50%ずつで迷っているならそれを強く勧めます!

 

 

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