欧米式!アクティブラーニング体験レポート

カナダ/CANADA

タイトル通り、カナダ式の授業スタイルを身をもって体験してきたレポートです!実際に現地の高校等に行ったわけではなく、語学学校の中でカナダ式のアクティブラーニング型授業をしているコースと取っただけなので、そこを責められると少し…困りますが…。

クラスを運営している先生自身は「君たちはこのクラスでカナダ式の教育スタイルで学び、カナディアンになるんだ!」というスタンスだったので、私はそれを信じています。笑

そこで今回の記事はその授業の振り返りと、元教員視点での発見などを書き連ねます!

アクティブラーニングって何?

近年の日本ではずっと「アクティブラーニング」が注目されています。5年以上前から話題だったと思いますが、最近でもまだまだ話題なのではないでしょうか?

そもそも、アクティブラーニングとは学習スタイルの一つで、従来の先生主導型&知識詰め込み型の授業と比べて以下の点が違います

・学習者が体験活動の中で主体的に学習できる
・他者と協力しながら学び、深い理解を得る
・より判断力や表現力が身に着く
・自ら考え行動できる子供たちを育てる

このような学習スタイルは欧米ではすっかり定着しており、これを参考にする形で、日本の教育現場で注目を集めるようになってきました…という流れです。

前職が教員だったこともあり、研修でも何度もこの言葉を耳にし、授業にどのように組み込んでいくか考え悩んだことも…言うは易く行うは難しなんですよ

今回カナダに留学して、生徒の立場でアクティブラーニング型授業を受けることができたのはセンセーショナルな経験でした。

カナダ式の授業スタイル

①ディスカッション型の授業

授業のほとんどの時間がグループ作業かディスカッションでした。私が受けていたクラスは、参考の動画を見てるときや、先生が説明しているときでさえ「途中でいつでも質問や意見を言っていい」というスタイルでした(先生によって差はあるかと思います)。

私のクラスは留学生向けなので、毎週トピックが変わり、時事問題的な内容を1週間かけて深く学んでいきます。1~10まで完璧に指導するということよりも、ディスカッションでの意見交換の中で自分の認識を改めたり、ブラッシュアップする…みたいな感じですね。

毎週金曜日にプレゼンがあり、その週のトピックに関連したテーマを各自選んで発表します。そのプレゼンの最中も質問が飛び交い、「あなたはどう思いますか?」とリスナーに意見を求めることも多く、ただ聞いているだけの時間は非常に少なかったです。

教師側のフォローとしては、「なぜあなたはそう思うの?」と問いかけ、意見の良し悪しよりも、まずは「個人の意見を聞こう」という姿勢でした。正しい答えを言えなくても馬鹿にされることなく、先生がちゃんと反応やコメントをくれるという環境づくりはやっぱり大事ですね。

 

②生徒が授業をマネジメントする

日本では主に教員やごく一部の生徒がリーダーシップを取ってグループ活動やディスカッションを進めていきますよね。私の受講したクラスでは、生徒がファシリテーターとなって、ディベートをマネジメントする時間がありました。普通のディベートとは異なり、反対・賛成に必ず別れるのではなく、自分の意見を積極的に発言する訓練のような感じでした。

ファシリテーター役の生徒は、ディベートのお題のトピックを自分で考え、他の生徒に投げかけます。小グループで数分意見交換した後、全体でのディスカッションに入ります。ファシリテーターは参加者の意見を聞き、必ずアフターコメントを残します。もちろん自分で時間も管理しなければいけない…学校の先生のような作業です。笑

議論がアクティブにならないときは、簡単な例や情報を付け加えたり、少数派の意見を敢えて支持するようなコメントをして、沈黙の時間を作らないように努力しなければいけませんでした。反対に、生徒からたくさんの意見が出ているときも、ただ聞いているのではなく、議論をより深いものにするためにコントロールする必要があり、かなりのスキルが求められます。

ホストファミリーやカナディアンの友人に聞いてみた所、本当にカナダではよくあるスタイルらしいです。ホストシスターは「中学生くらいのときにたくさんやったよ~」と言っていました。つまり、生徒自身が自分のお題について事前に情報を調べつつ、時には中立的な立場で、他の生徒の発現を上手に促したり、議論の視点を変えたりするファシリテーター役をカナダの教育では多くの生徒が体験済みなのです。

これによって、1つの問題について、多様な意見を聞いた上で、さらに自分の意見を主張するという高度なディベートテクニック、コミュニケーション、スピーキングスキルが身に付くわけですね。

 

③チームワーク

欧米といえば個人主義のイメージが強かったので、チームワークが重視されていると知り結構驚きました。チームワークといえば、同調とか同意を求める日本教育のほうが求められる…と思っていましたが間違いでしたね。

私のクラスの机の形は、ディスカッションする時はU字型、それ以外のときは常にグループです。当たり前ですが、全員の顔や表情が見える形の方が議論しやすい!また、休み時間中のスマホやPC、勉強は推奨されておらず、その時間をつかって友達と話せ!というスタイルでした。先生の「高いお金を払ってスマホいじりに来てるの?」という言葉が刺さります。実際問題、休み時間という精神的にもトピック的にもフリーな時に会話が弾まないと、政治や差別などの難しいトピックでポンッと意見を言うことはできなかったです。

自ら積極的にコミュニケーションを取り、人間関係を作ることで、「自分が意見を言いやすい環境を造る」「自分の意見を尊重してもらえる環境を造る」とこがポイントだと思います。海外だと個人主義だと思われがちですが、個人を尊重するためにチームワークが求められる…といった感じでしょうか。

 

④自分の意見を言わない=「自分の価値を証明できない」

先生はよく言っていたのは「会議の場で一言も意見を言わなかったり、他人の意見に同意しているだけの人間は、その会社が給与を払う価値はない」的なこと。先生は「会社」と表現しましたが、実際にそうで、私たちがどこかのコミュニティの属している限り考えなければいけないことだと思います。

カナダ式なので、授業中にコーヒーやお菓子を口にするのはOKでしたが、日本の授業よりもたくさん話すことが求められました。また、日本のように順番性ではなく、誰かの発現中に飛び込んで質問や発言して議論を活発にすることを先生は推奨してました。同意とか同調を良しとしてきた日本人留学生はこれが一番難しそうでしたし、私自身も「自分の意見を全く恐れず、言いたいタイミングで口に出す」ことに慣れるまで3週間くらい必要だったかもしれません。

 

「生徒」としての総合的な感想

語学学校のプログラムについて

そもそも、語学学校と言えば英語の4技能の基本的な内容から教えるようなプログラムが多いのですが、そこはカレッジ入学を目指す人向けの少しハイレベルな内容でした。

「英語を学ぶ」のではなく「英語で学ぶ」感じで、最近の社会問題やカルチャーについて学ぶクラスです。カナダの社会問題やカルチャーはもちろんですが、留学生の国との比較や多国籍クラスならではの意見交換が捗ります。文化(歴史、先住民、映画や音楽)、教育、政治、差別、SNS、ジャーナリズム、リーダーシップなど大人でも意見を言うのが大変なトピックが多いです。

年齢層は、私の在籍期間で言えば19歳~33歳くらいまでの留学生で、22~25歳くらいがボリュームゾーンでしょうか。国籍はコロナ禍の影響もありほぼ日本人でしたが、English Only Ruleなので特別嫌と感じたこともありません。むしろ、同じような文化的背景を持った人と英語でソーシャルプロブレムについて話したことで、語彙や文法といった基本的な英語力を確認・学習し合えたかな~という感想です。

細かいことで言えば、郷に入っては郷に従えじゃないですが、クラスでの活動は全てイングリッシュネームで進められました。あとプレゼンのスタイルはTEDみたいな感じです。TEDのように、スライドをたくさん見ない、アイコンタクトしながら話す、ボディーランゲージも使う…日本で教員していた時はどれも普通にできてましたが、英語でとなると慣れるまで苦戦しました。

授業中はその週のトピックの大まかな部分を理解し、それと平行して自分のプレゼン準備をすることで自分の気になる事について重点的に理解を深めるといった感じです。発表内容はもちろん、プレゼンスキル、情報収集力などが求められるので(とても忙しかったですが)色々なスキルを同時に伸ばさざるを得ない…。

アクティブラーニング型の授業で伸びたスキル

主に以下の能力が伸びたかな…と感じています。

・プレゼンテーションスキル&スピーキングスキルの向上
→毎週1回プレゼンとファシリテーター
・自己主張、意見を言う力の向上
→毎日のグループディスカッション
上記以外での恩恵としては、グーグルスライドでプレゼンを作成し、ドキュメントなどで教材を共有しなければならなかったのでICTスキルを上げざるを得ない。あと、難しいトピックやその背景について動画や映画など視覚情報を使って理解を簡単にし、意見交換を通じて少し深く学ぶことができました。
分かり切っていたことですが、アクティブラーニング型授業とICT教育はかなりマッチしているんじゃないかな…と。だからこそ日本の学校でもICT機器の用意を万全にしてもらいたいものです…。
ちなみに教員側。
指導する側の知識が豊富な方がいい例えばカナダは移民が多く、住んでいる人の国籍も様々であり、色々な文化や価値観に触れることも多いです。だから生徒もそれについて考えなければならないし、その学びを導く教員には必須なものが知識ですよね。特に、政治や差別など日本の学校ではあまり議論されないようなトピックについても知っている必要があります。担当の先生は「夕方に帰宅して、子供や家族と過ごして、本や新聞を読んで学ぶ」とおっしゃっていました。
同じスタイルを日本で実現したいな~と思った時、やっぱりもう少し職務にゆとりがあって、20人前後の少人数クラスだとアクティブラーニングの可能性が広がると思いました。

最初こそ「日本と欧米は違う!同じことはできない!」という気持ちもありましたが、実際に自分が経験してみて、「応用できそうなことはたくさんある」という前向きな気持ちに(もう辞めてますけどね)。

私がそうだったように、教員こそ教育に対する価値観のブレイクスルーが必要かもしれませんね。というか、日本の研修でこういうことやればいいのに!

コメント

タイトルとURLをコピーしました